山下恭信【ノスタルジックであたたかいPOP】

山下恭信:生の歌と、生のギター。

この二つでどれだけの風景を描けるか。

山下恭信の作り出すメロディーは意表をつくものではないし、歌詞も新しいフレーズがちりばめられているわけではない。
でも、彼だけが作れる「エッジの丸い、ノスタルジックな世界」がある。

 

昔、バンドやユニットで活躍していたようだ。
ガンガンにせめて音楽やっていたんじゃないかな?

今は家族がいて、守るものがあって。
その中で歌を紡ぎ出す。
生き急ぎも、死に急ぎもしない。

いろんな野望や欲望から解放された、今歌われるべき歌。そこに存在することに無理のない歌。
きっと大きな何かを蹴破って、一周してきたのではないだろうか。
彼の昔の活躍を知らないので、当てずっぽうかもしれないが。

2-03

 

山下恭信:真面目な男の、まっすぐな視線

最初から人を癒すのではなくて、
思い切り力を込めた後、すっと抜ける力。
実はその形が一番強いのではないだろうか?

彼は今、歌うべき言葉を歌う。
歌いたいと思ったことを。

浮かんできたいろんな思いを
消化して
吸収して
最後に残った言葉とメロディー。

研ぎ澄まされたというより、熟成された歌。

2-01

 

山下恭信:生き方を定めた自信がある

今できることを
できる方法でやる

今できることを
できる限りやる

これは決して「守り」じゃない。

穏やかで、でも決してあきらめない。
絶望もない。

自然にそこにある歌を歌う。
雨上がりにさす太陽のように。

 

強くて、優しくて。
必要以上に大きくなくて。
誰もの隣に、すっと入る歌。
日々に寄り添う歌。

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立花綾香【黒い戦闘服の黒い目は隠してるものを見逃さない】

立花綾香:カラフルに輝く黒い魔法の鏡を覗いてごらん

息を吸う。
これから吐き出すために。

立花綾香のライブは彼女のそんな儀式から始まる。
小さくて、二次元ぽいルックスはまるで可愛いお人形のように思える。その鋭い目線に触れるまでは。

息を吸い、止める。
世界を自分のものにするために。
彼女の舞台が始まると、ステージは多面体の水晶に映る映画のよう。一曲ごとに景色が変わり、主人公は感情をさらけ出す。さらけ出せずにもがく。泣き、笑う。

激しさと
優しさと
こっけいさと

一つ所にとどまらない感情は、ぶつかり、すり減り、整理され、本来の形を無くしていく。
それが生きていくための安全策。
立花綾香もそれは知ってる。頭では理解できてる。

立ち向かえば、世界は敵だ。
飲み込まれれば、世界は温水プールだ。
でもどうして、「どちらか」しかないのだろう。
どうして、うまくやっていけないのだろう。

1-01

 

立花綾香:もがく彼女を見ているようで、もがく自分に気がつく観客。

叫び、消え入る声で囁き、髪を振り乱して歌う。
まるで人身御供のように。
自らを捧げ、火あぶりにし、「前へ進め」と歌う。その姿を観客は目に焼き付ける。

誰もが面と向かいたくないと隠してる「怒り」や「不安」。
感じたくないととりつくろう「妬み」や「悲しみ」。
コントロールできない感情を、破裂音のようなピアノに乗せて提示する。
つい、寄り添ってしまう優しいピアノで提示する。

でも、それで終わりじゃない。

 

「あなたの中の、あなたはどうする?」

 

その問いを繰り返す。
僕らが問いに答えないのは「答えがない」からじゃなくて、「答えを出すのが怖い」からだ。
立花綾香はしかし、問い続ける。

1-04

 

立花綾香:東京シティは水槽と歌う新譜「アクアリウム」

これはライブレポなので音源などについては別の機会にきちんと話したいと思う。

三ヶ月ぶり?になる福岡でのライブ。
前回から今回までの間に、立花綾香は東京でのワンマンを成功させ、新譜をリリースし、チャートのトップを走り続けてる。

新譜「アクアリウム」の中からの3曲の中でも、「東京水槽」の圧倒的な熱量。

新幹線がゆるゆるとジュラルミンシティに滑り込んで行く。見上げるとビルに切り取られた灰色の空。東京に一旗あげよう!と勇んで乗り込んだ約30年前の自分がフラッシュバックした。
心が震えた。

そうだ。
あの街は、誰かに品評され続ける街。
悲壮感と無力感で押しつぶされてしまう街。
希望の光が手に届きそうなところで光る。
もしかしたらそれはネオンの照り返しかもしれないのに。
身体中の傷跡や新しい傷口をすり合わせながら遡上する魚たち。
そんな時代が僕にもあった。

1-02

ジュラルミンシティに夕日が沈むシーンの後、
天使のようなピアノが響く。
戦い続ける人たちを讃え、漂うだけの人たちを見守り、足りない酸素に悶えながら生きる人たちを美しく描くピアノ。
この曲のハイライトは間奏のピアノ・オーケストレーションだ。
歌と歌をつなぐこれ以上ない美しいメロディ。

残念ながら、CDに収められたものはライブの震えるような感覚を捉えきれてない。
なので、彼女には全国を回って、この歌を届けて欲しい。

かつて東京に挑み、はじき返された人のために。
それでも、その情熱を消しきれてない人たちのために。
荒木経惟の切り取った「愛」の写真と対となるこのCDを持って。

2016-12-18-10-44-58

 

立花綾香:ネオンだけじゃない。シャンデリアだって、ある。

彼女のライブはほぼ5曲程度。
一曲一曲がドラマチックに展開するので、観客は意識を持っていかれる。
でも、叫び続けるだけじゃないんだ。

彼女の黒い服は、多種多様な色を混ぜ合わせて作った「黒い戦闘服」だけど、彼女を美しく飾る「ドレス」でもある。歌の力を増幅させる美しさと華やかさを持つ。
黒いドレスは真っ赤に燃えるように見えることも、水槽を漂う青いドレープに見えることもある。
全ての色を捨て去った「喪服」に見える瞬間もある。

もしかしたら立花綾香はひとステージ終えるごとに死んで、また、生まれるのかもしれないな。

そうか。

だから彼女の目はキラキラと輝き続け、初めて見る世界の様々を歌わざるをえないのか。

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鈴木友里絵【圧倒的な幸福感が爆発する、日本を旅するキラメキSSW】

鈴木友里絵:全国ツアー真っ最中の元気なシンガー

東京出身の弾き語りシンガーソングライター。
この日キャバーンビートには「全国47都道府県ツアー」での来福。

アップテンポの曲をがっつり集めてくるステージングと、笑顔の絶えないショウは、福岡の「森ゆめな」にも通ずるものがある気がする。

 

全国を回るってことは、初めてみるお客さんが多数。
そのアウエイ感を吹っ飛ばすべく
とにかく限られた演奏時間の中で一曲目から全開に吹っ飛ばす。

開放感に溢れた楽曲と、混じり気のないまっすぐな楽曲。

深海のような、青空のようなワンピースが目を引く。
とにかく、歌ってる幸福感を150%出してくるので

「こいつ何者?」とちょっと引いて見てるお客さんも、あっという間に乗せられてしまう。

これが、ツアーチカラなのかもしれない。

 

鈴木友里絵:バレーコードがジャキジャキと刻まれる

歌うことの嬉しさ、歌えることへの感謝。
ポジティブなパワーに溢れている。

僕はどちらかというと「ポジティブが苦手」なんだけど、それでもおかまいなしに鈴木友里絵はかっ飛ばしてゆく。

そう、なぜなら彼女は「ポップであること」を信じてるし、そのことに迷いがない。
だから周りのネガティブな人も「鈴木友里絵タイフーン」に飲まれて、グングン上がっていくんだ。

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鈴木友里絵:幸福のための戦い

全国を回る。
ギターと歌を持って。

中途半端になるより、ぜーんぶ周っちゃおう!と言っていた鈴木友里絵。そのくらいのあっけらかんさで旅をするのは、若さゆえの無鉄砲さかも。

でもクラウドファウンディングを仕掛けたり、その地方のおいしいものを食べ尽くしたり(笑)
彼女は「幸福」になるための努力を厭わない。

うまくいかないこともあるだろうし
不安になることもあるかもしれない。

でも旅先で彼女が歌を届けることで笑顔になる人がいるのと同じくらい、鈴木友里絵はその笑顔に「幸福」をもらっているのではないだろうか?

人を幸せにはできないけれど「幸せな気分」にすることはできる。
そのことを彼女はどこかで学んで、覚悟を決めて歌ってる。

 

鈴木友里絵:力強いスローバラード

COLORSという曲は、観客参加型。
初めてのお客さんに「一緒に歌ってもらう」ことは難しいだろうけど、彼女は挑戦する。僕らはあっさりと、負ける(笑)

バラードの強さも必見だ。
スローなんだけど甘くない。強い。

「必死に光る」と宣言してしまった彼女。
ちょっと暗い、日本全国に「圧倒的な幸福感」を届ける旅はまだ続く。

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ゆり【音楽を形成する知識量と、それをアレンジする能力】

ゆり:曲ごとに変わる声と、世界

ピアノの弾き語りというスタイルは、リフやベース音と、コードの組み合わせで伴奏を形成して、そこに歌が乗ってくる。

基本的に「歌を伴奏する」ものだけど、ゆりの演奏は少し違った。

曲のバラエティ感もなかなか立ってるのだけど、その曲のためのアレンジ力が光る。

ゆりはソングライティングを「自己表現の一つ」としか思っていないのかもしれない。いい意味で。
ライブで歌を届けるためには

  1. 歌を作り
  2. アレンジし
  3. 歌う

という作業が必要になってくるんだけど、彼女のステージを見た限りでは、三人の彼女がそれぞれ分業で歌を作ってるような気がした。

一つ一つの歌の物語にあったアレンジ。
ハードなもの、軽快なもの。
それはその物語にあったサウンドトラック。

ゆり:自分らしさの追求というよりも、その曲らしさの追求。

「ステージごとに印象が違うとわいれる」とMCで言っていたけれど、その日のメニューによって「ゆり」というアーティスト自体も色を変えるのではないだろうか?

この日は正統派ドライヴィングミュージックからハードなロック調の曲まで、バラエティ感満載だったけど、彼女の引き出しはまだまだたくさんあるんだろう。

歌に関しても様々な声を聞かせてくれた。
低音を響かせる迫力から、力抜けた軽いコーラス、高音のかすれた声の良さ。

それぞれ、別のプロデューサーがついてるような。
歌が、己を反映するのじゃなくて、作品のための演技、演出のような気がする。

とてもクールだ。

01-02

 

ゆり:ブルージーな7thで光るおしゃれ感と大人感

現実、という歌だったか。
ポップさを抑えてブルージーに歌われる。おいしいコード進行に乗って、自信たっぷりに。
リズムがシャープでかっこいい。
日本人が大好きなクリシェをグッドな位置に置き、さらに半音上げの気持ち良さも。

証明という曲も光ってた。

でも一番「おお!」と思ったのはラストの曲。
ピアノの抑え気味なリフから始まり、ドラマチックに展開してゆく。
映画を見てるような気持ちになる。
行進してゆく一団が見えるようなアレンジ。
ボレロでもあり、アニソンでもある。

彼女は音楽をよく知っている。
もしかしたら自分自身の感情よりももっと。

いろんな音楽を飲み込んで、その部品を適材適所に配置して作られる彼女の曲。
ドラムやベースがいるかのようなアレンジで、さらに広がってゆく歌世界。

自己主張が歌を引っ張る人が多い中、ゆりは「音楽が自分をほりおこす」タイプの人のような気がする。

さて、今日はどんなレシピで、どんなディナーを作るかな?
そんな気持ちでステージを作っていてる印象。

音楽マニアにはたまんないかも!

01-03

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小野穂乃佳【一生の友達を手に入れた。17歳は一度だけ】

小野穂乃佳:指が震えても、それでも歌う

まだ17歳。
お姉さんたちがそれぞれのステージングで歌を歌い、ギターを弾く。
それを見てるだけじゃなく、彼女は自分も歌い始めた。

17歳。

人生の最初の壁がドカンと立ち、不安ばかりを感じる歳。
そんな時に小野穂乃佳はYUIと出会い、ギターを手にし、歌を歌い始めた。

それにしても彼女の緊張はすごかった。
最前列のお母さんと目が会うときだげ、ふっと笑うような。

ああ、いい親子関係なんだなあ。
ちょっと嬉しくなった。

 

小野穂乃佳:ティーンエイジャーの悩み

素直な歌詞。素直な歌。
どれだけ変わった変化球を持ってるか?はたまた剛速球を持ってるか?をついつい見てしまうけど、小野穂乃佳の素直な歌とギターは、ある意味珍しく、貴重だ。

暖かく、柔らかく。お散歩に行きたくなるような歌。

いろんな悩みに負けそうなとき、彼女は「ギターを弾きたい」と言ったそう。ギターに人生救ってもらった先輩としてはとても嬉しい。

ギターは、歌は一生の友達。
辛いときも楽しいときも、ずっとそばにある。

人前に立って歌う。それはすごい勇気のいることで。
僕もまだまだ震えてしまう。

でも震えても、声がひっくり返っても、ギター間違えても、それでも観客を向いて歌う。これは世界と向き合うことと同じだ。

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小野穂乃佳:拍手をしてもらえるありがたさを

自分の身の回りのことを歌にする彼女。
空想の世界すら、自分の世界と隣り合わせ。

ラストに歌われた、やまない雨の日の恋人たちを歌った歌が良かった。

やまないね〜

肌寒いね〜

そんな会話をしながら、言いたいのに言えない言葉と、そんなつもりで言ったんじゃない言葉が行き来する。

始まりも終わりも描かれない、「途中の歌」。これが彼女の持ち味かもしれない。
ドラマチックな幕開けやエンディングではなく。
今、流れてる時間の歌。

これからももっともっと、いろんなことを吸収して。
いい歌をたくさん歌ってほしい。

震えがとまらんくてもいいんだよ。

23

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立山愛【アコースティックギター1本で緩やかなダンスを踊らせる】

立山愛:素朴な歌。流れる循環コード

ノスタルジックで柔らかい歌声。
鮮烈な印象を残すタイプではないかもしれない。
ものすごい歌唱力で歌い上げるでもない。

ただ立山愛は、ミディアムナンバーで聴く人の腰をゆっくりと動かす。

全部の弦を鳴らす。もちろん余分なベース音はミュートする。
ドラムとベースを感じさせるグルービーなギター。
気持ちがいい。
弾き語りの人に、これだけいさぎよくリズムを弾く人あまりいない。
大きな音じゃなくて、うるさくなくて踊れるギター。

 

立山愛:考えすぎてライブをやめてしまった

彼女はすごく真面目な雰囲気があって。
いろんなこだわりに、自分で首を絞めてしまうタイプかもしれない。

彼女は考える。

なんか悲しい。なぜ悲しいのかわからない。
なんか寂しい。でもなぜ寂しいのかわからない。

わかりたいと努力する。
自分の周りで起きてることを、自分の言葉で歌う。
彼女の歌の主役は彼女だ。

彼女の悩み。喜び。楽しみ。悲しみが、そのまま立山愛の歌になってる。
だからこそ、歌うことがきつい時もあるかもしれない。

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立山愛:まろやかなビートを持って帰ってきた

一旦はやめてしまった音楽活動。
でも彼女は戻ってきた。

考えるより、やってみようよ。
ギターが君に弾かれるのを待ってるよ。

エッジの取れた、まろやかなビートが悲しいことを忘れさせてくれる。

彼女の見る世界は暖かいばかりじゃないけれど、それをエンターテイメントにする力が立山愛にはある。

1.2.3と自分に声をかけて
1.2.3とみんなに歌を届けることができる。
それは幸せなことだよね。

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林一穂【消え入りそうな声で殴りかかる天使】

林一穂:声が夜の隙間からやってくる

美しいアルペジオに幕を開けた林一穂のショー。
声がきしむ。声が這い回る。生き物の香りが薄いガラスのような歌声で、描きだされるショートストーリー。
カヒミカリイや相対性理論、ハイポジなどが切り開いた「冷たいロリーターボイス」と形容される声を一番の武器としながらもさらに、ストーリーテラーとしても一流だ。
林一穂は彼女にしか書けない歌を書く。
北欧の冷たい童話のように青く光る世界を。

せっぱつまった感情が裏にあるとしても、壁を壊して爆発するのではなく、染み出してくる。
シミはいつか人の形になり、彼女とは違うキャラクターを演じ始める。

闇の世界は、暗くない。
ただ、光が目立たないだけで。

 

林一穂:熱じゃない、熱さ。

愛の形をした、別のもの。
暴力の形をした愛。
許しと諦めと、期待と苛立ち。

林一穂の描き出すキャラクターはどこか歪んでる。
恋人も、親子も。
水面に映る月のように歪んでる。美しい世界を描く方法として彼女は現実にフィルタをかける。

現実は怖い。現実は痛い。現実は悲しい。
でもその暗さ、怖さはどうしようもなく人を惹きつける。

彼女の歌には「その世界に飲み込まれたい」と思わせる甘さがある。

彼氏を殴る彼女の歌。
お母さんに虐待される子どもの歌。

私は私を見失う、と彼女は歌う。

僕らの世界には、確かにあるはずの事象。
本来ポップミュージックはそんなことにも光を当てて僕らに見せる役割がった。
ビートルズも、ディランも。
マリリンマンソンも、スザンヌヴェガも。

林一穂はある意味、世界レヴェルのポップスを産んでいる。
彼女の心に住む作家は、彼女の理想の世界と現実世界とのズレによって生まれたのかも知れない。
恐ろしい作家性だ。

13

 

林一穂:声を使う。ギターを鳴らす天使。

声が神様のギフトだったり、類い稀な作家性も才能かもしれない。
でも林一穂はギターの弾き方にも細心の注意とアイデアを注いでる。
テンションや開放弦を使った凍りつく和音や
イントロで爆発したストロークは、歌が入るとバッキングに回るし、ボリューム調整をする。

作品を提示するためのアイデアを具現化するために必要な努力をする。

今まではずっとホームタウン山口を中心とした活動だったらしい。
戸川祐華など、山口には個性的なアーティストを生む空気があるのか。

闇を持ち、闇に住み、闇を歌うんだけど。
心はちっとも闇に染まってない。

山口にはきっとそんな天使たちが住む洞窟があるんだろう。
夜になるとギターを持って歌う天使。
か細い声で、気付かれないように。

今、一番天使に近いのは「林一穂」だ。
福岡のみんな。覚えていて損はない。
いつか彼女があなたの隣に滑り込み、魔法をかけるだろう。

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今村優司【ヘイ!ロックンロールのマジックを操るぜ】

今村優司:ロックンロールを愛するジェントルボーイ

そのいでたち、立ち姿からすぐさまわかるのが「50〜60年代のロックンロールへの敬愛」だ。
黒いシャツのパンツ。タイ。
ギターを抱えてすっと、立つ。

彼を最初に見たとき、ギター一本で後期ビートルズの難解な曲を弾き語っていた。
完璧な演奏ではないんだけど、完璧なムードだった。
演奏は練習すれば上手くなるだろうが、このムードを出せる人は限られてる。

好きで好きで、たまらないんだろう。
古いロックンロールやフォクソングが。

 

今村優司:ジョン・レノンのさみしいシャウトのような

彼の声は、甘い。
でも女の子をざわつかせる甘さではなく、自然の甘さ。
悲しみや辛さを隠し味として効かせたスイートロックンロール。
まあ、女の子にもてたいと思って始めたのだったら、ジャンルを間違えたかもしれない(笑)

ポツポツと適応なMCを挟みながら、今村優司はロックンロールの旅に連れて行ってくれる。
誠実で、正しい。
ロックンロール純血種。

005

 

今村優司:アコースティックギターをかき鳴らさないロック

本来、ロックンロールは軽く、腰を振る音楽で。
よくスイングするスノッブなもの。
その軽さがよく出てるのが彼のアコースティックギターサウンド。
ハイコードを弾く。
ベース音がよく動き、高音部はシャラリシャラリ。
ジャカジャカと鳴らすところは本当にピークのところだけ。
よくドライブするギター。

粋なんだ。

彼は粋なロックンロールボーイだ。

 

今村優司:オリジナルも、もはやスタンダードのよう

昨日は聞けなかったけど、彼の「ペイン」という曲が好き。
初期ビートルズのメロディセンスとギターサウンド。

歌われる情景の優しさ。
傷ついた人を抱きしめたり、鼓舞したりするのではなく、「その悲しみ、俺も知ってるよ」と肯定してくれる歌。

この日歌われたワルツの曲も素敵。
薄暗い地下室の灯りの下で静かに踊るカップルたちの絵柄が浮かぶ。
こっそり隠された美味しい和音がまた、かぐわしい。

ロンクンロールハイウエイのネックの付け根ギリギリのところをバレーコードで弾く、そのいさぎよさとかっこよさって言ったら!

彼の歌が、ギターが、なぜこんなに優しいのか。いつかその謎を突き止めたい。

きっとぽかんとした顔で「え?なんのことっすか?」ていうだろう(笑)

006

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冨安志穂【電気仕掛けのオペラ座の小さなクイーン】

冨安志穂:肉体を捨てたストーリーテラー

彼女はちょっと前までバンドのボーカルだった。
monouiという、すごく好きなバンドだった。

>>>monouiのレビューはこちら

バンドの持つ肉体性と、冨安志穂の持つ「自己愛の繭」の中で流れるダンスミュージックが面白いバランスだと思ったんだけど。

彼女に「肉体」はいらなかったのかもしれない。
楽曲を作り、オケをバックに歌う彼女のソロステージを見て、そう思った。

40〜50歳代の僕のような年配が彼女のライブを見ると、頭の中にワードが浮かぶはず。

彼女は

  • エレクトリックな中森明菜であり
  • 戸川純の激情を持つ2.5次元の住人

だと。

 

冨安志穂:彼女は彼女の世界に住んでいる

彼女にとってライブはエンターテイメントではない。
自分が感じ、傷ついた事柄をえぐり、見せてくれる。
彼女の傷は生々しくもあり、美しくもある。
流れ弾をくりぬいた手術痕は、太古の生き物の脊椎のように純粋だ。

かさぶたを剥ぎ

「あなたにも同じような傷があるでしょ?思い出した?」と言ってるようだ。

メロディやサウンドは暗く激しいのだけれど、感情のおもむくままに吐き出しているわけではない。
それだったら子供のダダと同じだ。

冨安志穂には素晴らしい楽曲があり、首尾一貫、彼女の美学が詰まったオーケストラがある。

夢見るようなサウンド。
憂いを秘めながらもキラキラとしたサウンド。
ベース音が唸る。

カバー曲でさえ、自分でオケを作るそうだ。

001

 

冨安志穂:NO call &response

手拍子という「肉体的参加」でライブを楽しむのもオーケーだ!
でも冨安志穂のステージにはいらない。

悲しみや暗い夢想や妄想を持たない、持ったことのない人がもしいるのなら、彼女のステージから得るものはない。

痛みを、ショーに昇華して楽しもうじゃないか!

冨安志穂の最終形態は「オペラ」だと思う。
彼女の書いた複数の楽曲が、ちょっとした舞台装置と照明によって語られるとき。
ライブハウスはオペラ座になる。
いや、旅芸人のサーカス座かもしれないが。

一曲一曲に込めた想いがもっともっと濃く繋がって、息もできないような迫力を見せるためにはMCもいらない。

映像作品もいいかもしれないけど、彼女には舞台が必要だ。
思い切り手の込んだ悲喜劇が見たい。

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小佐井みなみ【アメリカンバーに咲いた可憐な花】

小佐井みなみ:ちっちゃなテイラーが紡ぐオールドミュージック

全曲、英詩。カバーもオリジナルも。
演奏する前に曲の解説をていねいにすることから、英語の歌が好きで、でも意味はちゃんと伝えたいっていう意思を感じる。

「アメリカンな感じで、きいてもらえれば」

キレイな英語。硬質で伸びる、かすかなビブラート。カントリーシンガーの蒼いいろっぽさを携えた小佐井みなみ。福岡ではあまり競合のない「薄暗いアメリカンバーに咲いた可憐な花」のよう。

ギターはウインドウチャイムのように涼やかに鳴り、古いポップスからリアーナまでを自分の節回し、アレンジで届ける。

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小佐井みなみ:羽根のピアスが揺れるたびに、やわらかい影が落ちる

歌いだしの乾いた空気感と、歌終わりにちらりとみせるセクシーさ。フィンガーピッキングでザクっとコードを鳴らしたときの緊張感。一曲のなかでもいろんな色に変化しながら歌う。

おとなの甘さが出る瞬間と、子供のような無邪気さがころころと入れ替わる。

古い音楽をチョイスして歌う人が増えてる。それも、新鮮な気持ちで。古いものだろうが新しいものだろうが「youtubeで見つけた私のたからもの」なんだろう。ビバ!文明(笑)

演奏後少し彼女のテイラーを弾かせてもらって、居合わせたヤマウラ君と「ビターズエンド」&小佐井みなみでちらっと遊んだんだけど、とても楽しかった。いつか一緒にやってみたいものだ。
へたくそだけどバンジョーやマンドリンで参加したい。
古い、木の香りがするロックンロールを。

 

小佐井みなみ:中盤で歌ったオリジナルがよかった。ちょっとざらついた悲しい歌。

WHY?と繰り返されるオリジナル曲。明らかに古いポップスからの影響を受けただろう英語のフレージングと、ローン・ジャスティスやキム・カーンズをほうふつさせるアメリカンロック。
いろんなものを吸収して、ころんと吐き出したような素直な曲。しかもJ-POPの毒素から逃れた純粋培養。これはなかなか価値のあるもの。ぜひこのまんま好きな音楽を続けてほしい。

僕の大好きな「will still love me tomorrow」を歌ってくれた。
こんなエバーグリーンなポップスをつくりたい。全然かなわないけど。
ジャニスのMe And Bobby McGeeではいっしょにNaNaNaを歌った。
オリジナル至上主義な僕だけど、手垢にまみれた名曲を、さらっと歌う小佐井みなみ。

ラストがエルビスなのもしびれた。
ギネスを空けたくなるよね。

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れーな【どうにかなるさじゃなくって、どうにかする!】

れーな:ひらがなと伸ばし棒の女の子は意外にもかなりロック!

十代からギターを持ち、歌を歌う。そんな女の子たちが増えてる。
それは福岡市だけじゃなく、日本中での出来事だろう。
熊本に元気のいいシンガーソングライターがいると町田さんから強力プッシュされた「れーな」さん。ようやくライブを見れた。

さらりとしたルックス。子供のような大人のような。そんな彼女から放たれる歌は、かなり芯の通ったロックだった。
強くて透き通った声で歌われる日本語たち。
なかなか決まってるギターのカッティングと、ミュート。
ステージの上で、歌が大暴れする印象。おお!かっこいいじゃないか。

 

れーな:日本語のチョイスがおもしろい

うたのタイトルにも「しゃぼんだま」「すっからかん」「つまんないよ」なんてのがある。
彼女が名前を「ひらがな」にしてることと関係はないだろうけど、ひらがなの持つやわらかさと、バネの強さを感じる曲が多かった。それが気の利いたギターのリフにのって小気味いい。
これって日本語の、「ひらがなのビート」じゃないかな?

弾き語りでは特にギター(キーボード)は唯一の相棒で、歌の世界を生かすも殺すも伴奏しだい。
れーなはそこを判ってる気がした。テクニック的にはまだまだなところもあるけど「自分の歌のための理想の伴奏」がちゃんとある。開放する音、切る音、ミュートする音。単音のリフとコード。
ギターが前に出すぎず、歌の歌詞をしっかり聞かせるのに平坦な印象がないのはそのせい。

203

 

れーな:倒れてる人に手を差し伸べる歌

どうにかなるさではなく「どうにかしてやる!」と彼女はうたう。
「夜明けを待つのはもうやめた」と彼女はうたう。
れーなの新曲は今回の熊本・大分の震災と無縁ではないだろう。

直視することがつらい現実があり、困難があり、絶望がある。
その中に立ち、ひとりひとりに声をかけ「微力」という名のスーパーパワーを注ぎ、自らも成長する。

れーなは夜明けを探しにいくんだ。
暗がりの中、勇気という名の灯りをともして。
君も来ない?

だまって抱きしめる歌も癒しだ。
涙を受け止める歌も癒しだ。
でも、れーなは「一緒にいこうよ」と、倒れてる人に手を差し伸べる。
それはきっと彼女が「誰かに手を差し伸べられたことがある」んじゃないかと想像する。強い意志。それはガチガチの鉄筋ではなく、ひらがなの強さ。

あまりにも自然に、「さあ、いってみようよ」と笑う。そんなシーンが見えた。

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荒金門亜【さびしさが優しさと同居するシティポップス】

荒金門亜:エバーグリーンな歌声は甘く、すずしい。

女の子パワーにおされ気味な福岡インディーズだけど、メンズには荒金門亜がいた。女の子のファンが暴発しそうな(笑)ルックスと甘い声。
その声で歌うのは苦味と痛みを持った愛の歌。
流行の若者ぽい発声で、聴く人のハードルを下げる。TVで流れるポップスのように耳障りのよい歌。
ところが、その心地よさにからだをゆだねていると・・・

 

荒金門亜:死と性の香りがするスキャット

歌詞を持たずに、メロディーをうたうスキャット。感情のおもむくままに、もしくはサビのメロディを輝かせるためのアクセントとして使われる技法。
ところが荒金門亜のスキャットは、ちょっと聞いたことがないくらい甘く、苦い。天に召されたジェフ・バックリィのように。
ライブ会場の隅っこまでさ~っと浸透していく。浮遊感。
いやあ、こんな気持ちのいいスキャット、久しぶりに聞いた。
熱っぽいソウルフルなものではなく、マンハッタンの高層階で、摩天楼を見下ろして歌われるスキャット。
先日見た伊藤彰吾くんもそうだけど、天使系男子、かなりいいと思う。
さらに、荒金門亜のもつ必殺技はこれだけではなかった・・・

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荒金門亜:悪魔のように美しいファルセットをフルスロットルで

中盤に歌われた「冷たい人間」という曲。コミュニケーションの断絶と、悲しみや喜びが理解できない現代の闇を歌う曲。この曲のサビは裏声。ファルセットなんだ。
サビをファルセットで歌う。初めて聞いた。背筋がぞぞぞっとした。
美しいファルセットが冷たい人間をよくあらわしていた。なんという引き出しの多いシンガーなんだ。
それもきちんと必要な曲に、必要な歌い方をしてる。

次に歌われた「着地点のない愛のうた」もすごかった。君を見るために目をつぶっていたい。耳をふさいで君の鼓動を聞いていたいなどという、必殺のフレーズの連発。
叶わない恋ほど美しい。心を閉ざしたい、君を好きになるから。
女子だったら死んでるね(笑)

 

荒金門亜:甘いラブソングの後、戦いの歌

ラストに歌われた威風堂々という歌。
まるでマーチングバンドがバックについているかのような大団円。
レ・ミゼラブルのミュージカルのような。
彼の歌う5曲は、組曲だったのか?
都会の冷たい空気、そこに住む冷たい人間、死の匂い。そんな街を歩き、進む。
紫煙がのぼる戦いの街を、堂々と。

聞くと彼はすごく多彩なようだ。
新しい歌をもっと聴いてみたい。

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鈴音【現在音楽活動休止中の中学生シンガーソングライター】~ライブレポ番外編~

鈴音:キャバーンビートで出会った初めてのライバル

バンド「マーヤとストーカーズ」でキャバーンビートにデビューした僕。
バンドと平行してソロでも活動したいと思っていたので、オープンマイク的なイベント「投げ銭」にエントリーした。そこで出会ったのが鈴音(13歳)だった。

はじめて見たときの衝撃は忘れられない。小学校を卒業したばかりで、今月から中学生です~とMCで。

歌はのびやかで、「すごいねえ。ちゃんと習ってるんだろうなあ」と思った。

まっすぐな視線とどうどうとした歌。
すごいなあ。心に来るなあ。歌うことが好きなんだろうなあ。

 

でも本当の驚きはそのあとだった。
オリジナル曲「トゲトゲトゲ」を聴いたとき、いすから転げ落ちるかと思った。

 

生まれる前から神様に棘をつけられた。
私に棘があるから、あなたに愛してもらえない
ならば私は棘を切り落とし、血を流すわ。

 

歌詞は彼女独特の「痛み」に満ちたもので。」鋭いんだけど、曲が素晴らしかった。
物語を語るための、メロディーがそこにあった。

 

鈴音:コード進行の罠から逃れたうた。

僕も含めて多くのシンガーソングライターが「コード進行のきもちよさ」に負けてしまう。
以前誰かが作ったルールにのっとって、語り始めてしまう。

それが「どこかできいたような曲」になる原因。もちろん悪いことじゃない。歌は作った人のものだから。丸パクリだったとしても、一度その人のフィルタがかかればいい。

でも鈴音の「トゲトゲトゲ」は違った。
調をくるくると変え、物語のシーンを変える。サビだけをとってつけたようなJPOPがわんさかとあるなか、しいていうなら「ウタダヒカル」のような、コード進行という魔力の影響を受けずに作り上げた傑作。

棘を生やした主人公が、自分で棘を切り落とし、血で真っ赤に染まったまま地平緯線へ向かってあるきだす光景が見えた。

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鈴音:彼女と一緒に音楽をつくり、遊んだ。創作のすばらしさを学んだ。

中学生独特のというのが適当ではないかもしれない「独創的な歌詞」のアイデアをちょっと覗き見してみよう。そして不思議なメロディーの作り方を体験したい・・・。
そう思った僕は

歌交換

という遊びを思いついた。

二人で「夏」をテーマに歌詞を作る
(僕は「サマープリンセス」、鈴音は「セミ」という詩を書いた)

その歌詞に、ふたりで別々の曲をつけてみる。

サマープリンセス(作詞・作曲:サニー)
サマープリンセス(作詞:サニー 作曲:鈴音)
せみ(作詞・作曲:鈴音)
せみ(作詞:鈴音 作曲:サニー)

という4曲が生まれた。
その作業はとてもエキサイティングで。
ものを作る喜びに満ちていた。

出来上がった曲は、案外相手が作詞して、自分で作曲したもののほうが、その人らしい仕上がりになるという面白い結果になった。

 

鈴音はその後も快進撃を続け、ライブの数も月に4本、5本と増えていく。
彼女の歌を聴きたい人も増えていく。
呼ばれるイベントも増えていく。

そんなある日。

 

鈴音:彼女はある日突然、歌をやめてしまった。

僕自身はいまだに「鈴音ロス」(笑)
彼女の「トゲトゲトゲ」を自分でもカバーすることがある。
本当にいい歌だからもったいない。POPSは永遠だから、僕が引き継ぐ。

 

彼女についてのいろんな思いは僕のブログにもつづってる。
鈴音を知ってる人も、知らない人も。
読んでみてください。

そして、いまはyoutubeを見るしかできないけど、彼女の歌を聴いて、見てください。

 

 

今しかできない中学生生活や、勉強、家族での時間。
僕らの拍手や歓声がそんなものを圧迫してしていたのかもしれない。

もし、しばらくお休みした後、また音楽が芽生えてきたら
そのときはまた一緒に何かをしたい。

そのためには僕は長生きせんといかんね。

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あぁちゅ【アイドルはDIYハッピーな夢を見るのか?】

あぁちゅ:サブカルとアイドル世界をしゅーんととんでく

あぁちゅというアイドルが北九州にいることは知っていた。面白いツイッターをやってることも。イベントで歌い踊る様子や、メイドカフェ的なことをやってるのも。

AKBグループを権化として噴出したアイドルブームは、日本中を戦国の火の海にした。地方自治体バックアップの「官僚系」から、サブカルチャー、アングラの「地下アイドル」など。
自分でアイドルと名乗った日から、アイドルなんだな。

ツイッターで「楽曲募集!」ってのを見て興味がわき、一緒に曲を作った。
で、今回キャバーンビートに出演を依頼した。

 

あぁちゅ(この小さい「ぁ」ってのをどう打つかが判らない51歳)初対面。普通の19歳?

はじめまして~~!と挨拶。アイドルってのはこんなにもはっきりくっきり笑うのか!という印象。アイドル文化には疎いから新鮮。
オリジナル曲、カバー交えて歌い踊る。
完全アゥエーなライブハウスでも、全然おかまいなし。ハートが強いんだなあ。

話をするあぁちゅと、ステージ上のあぁちゅは同じようで違うようで、でもおなじ?
本当の姿は見えない。透明な存在。

アイドルはアーティスト、ミュージシャン、歌手となにが違うんだろう。
カラオケで歌い踊るミュージシャンも多い中、アイドルの存在は?
アイドルはエゴが少ないんじゃなかと思った。
こういう音楽がしたいとかこういう演奏がしたい!ではなくて、自分の身体の全てを媒体として使って、いろんな可能性の扉をひらくんじゃないか?一度透明になっていろんなものを飲み込んでゆく。
性的な妄想から歌のお姉さん的ハッピーオーラまで。アイドルは掻き立て、生きて行く。

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あぁちゅ:赤いスカートひらひら。面白いことならなんでもオーケー

かわいい衣装で歌い踊る「アイドル活動」。ちっちゃい女の子をも夢中にさせる。
あぁちゅがアイドルをソロではじめたのはここ1~2年だそう。
小学校から事務所に入り、歌と踊りのレッスンを受けるという現代のパターンとはちょっと違うようだ。そこにあるのは「パンクスピリット」そして「Do It Yourself」。
自分という存在を使って、楽しそうなことはなんでもやる。自分でやる。という主張。

パンクロックが世界中のくすぶってる若者に楽器を持たせ、演奏をさせたように、少女たちは立ち上がりアイドルになった。詐取するひともいるだろう。甘い言葉でさそうやつらも。
でも彼女たちはやる。笑い、踊る。楽しいことがそこにあるから。
2ショット写真だって、グッズ販売だってやる。
自分をプロモーションするのは自分。
圧倒的なガールズパワー。馬鹿だとおもって油断しちゃけがするぜ(笑)

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あぁちゅに書いた曲で僕が試したことは?

まだタイトルの決まってないこの曲。歌詞は女子の妄想(&腹黒さと彼女はいっていた)のワンシーン。イケメンのとなりに座って話したい!というもの。
アイドルの曲をそこまで知らないけど、恵比中とかももクロちゃんとか東京女子流とかを聞きなおして。
印象的なフレーズとか
無理やりな転調とか
擬音とか
そんな特徴がみつかった。

アイドルの曲。いまはカラオケでやるからテクノっぽい打ち込みで、それをいかしたユーモアと、踊りやすい構成とか。とても面白かった。なかなかいい曲にしあがった(自画自賛)

楽曲提供ってほんと楽しい。
その人のカラーをいかす曲ができたら、ほんとうれしい。

そうやって人を喜ばすのも、もしかしたらアイドル活動?
だとしたら、すっかりやられたぜ!

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ワタアメほなみ【吐き出すいらだちがキラキラと輝く】

ワタアメほなみ:綿飴のようにあまくない

どうして人は歌いだすのだろう。どうして人前に出るようになるんだろう。
どうして個人的ないらだちを人前でさらけだすのだろう。

それを見た人はどう思うのだろう。
ライブハウスという空間で。

ワタアメほなみは、感じた毒を吐き出す。小さく震えながらも。
「いいんだよ。正しくなくても。毒を吐いても」
彼女の歌はまだ、歌というレベルまで達していないかもしれない。でもそれだからこそ特殊な光を放ってた。

ワタアメのように甘くないけど、ワタアメを食べるときの高揚感と少しの罪悪感を持った歌。

 

ワタアメほなみはまだできあがっていない。今、見ておこう。

彼女のように、日常のいらだちや欺瞞、理不尽な世の中への怒りと悲しみを歌う人は多い。それが個人的であればあるほどキラキラして見える。

飲みすぎて吐いたような歌が、おなじ痛みを感じて生きる人には必要だ。

歌が「包帯」になるから。

傷ついた心をつつむ包帯。包帯にできることは「治癒」ではない。
傷ついた人の、心の「自然治癒」をたすけるだけだ。ワタアメほなみは薬ではない。

年をとった僕らが彼女の歌を聞くと、「あのころ」を思い出す。
どうしてそんなにもいろんなものに当たるのか。
いちいち傷つくのか。
うまく生きることを憶えなよ。

ちがうんだ。

ぼくらはうまく生きることを憶えてるんじゃない。同じように傷つき、流れ弾に当たってるんだけど、感覚を殺してるだけだ。

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ワタアメほなみのうたう希望の歌は?

生きていたくない。死んでしまいたい。そう思ったことのない人が果たしているんだろうか?
個人的に好きだった、大嫌いな人へ吐いた毒をもりもりと歌った新曲。
歌という形になる前のむき出しの感情が。コントロールできないイライラが、ズタズタに転がってた。
この曲で終わってたら、真っ暗な空間に投げ出されたままだっただろうけど。

ラストの曲はちょっと違ってた。傷を自分ですこしづつ治してる姿が見えた。

 

この街はキラキラして、嫌になるけど。
生きてる意味なんてあるのかなと思うけど。
でも生きる。
いま生きてるんだ。

MCでとっちらかって、かわいい笑顔をみせるワタアメほなみ。
会場のみんなに「変なのおったな」って憶えていて欲しいと言っていた。

変なのおったな。
でも、なんか、よかったな。

そうおもったんじゃないかな?

この不恰好さをもったまま、大きくなれるか?このバランスの悪さをもったまま場数を踏めるか?そこが勝負だと思う。

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白石和也【発展途中のまじめな青年のうた】

白石和也:誠実さがもうすぐ実を結びそう

ギターの弾き語りは、最初の音が勝負。初見のお客さんに「この人はこんなひと」って予想させる。白石和也のギターの音は癖のないすんなりとしたものだった。
歌われる歌も、個人の経験と思いをベースにしたもの。
東京や海外へ夢を追いかけ飛び立った友人へのエールや、生きようよ、というメッセージ。

素直で真面目でまっすぐ。
テクニックや場数はまだまだだけど、人柄のよさがにじみでてた。

ライブは音楽だけを聴きにくるんじゃないから、もっともっと安定した演奏をこころがけ練習すれば、聞く人の心に入りやすくなると思う。

 

白石和也:男らしさというより「親戚らしさ」

ライブの途中で「一発ギャグ」で大いにすべる。
演奏者とお客さんの目線がほぼ一緒の位置にあるのは、彼の人柄のせいだろう。自然と笑顔がこぼれる。ツッコミが入る。

みんなより少し高いところで、スポットライトを浴びるアーティストもいれば、彼のように「となりにいる」アーティストもいる。
親族のあつまりで、たのしくビールを飲むときの音楽、とでもいうべきか。

聞くものを感動させたり、興奮させたりする音楽だけじゃなく、ふつうに鳴ってる音楽。それは案外彼の素晴らしい武器になる。

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白石和也:カバーよりオリジナルをもっと。

後半二曲はサポートギターを入れてのワンオクのカバー。
ほんとうにやりたいのが、バンドでのシャウトだとしたらそれもいいかもしれないけど、弾き語りでやるなら自分の言葉を歌うべきだ。

白石和也は自分の生活をベースに歌を歌う。
そこには彼らしいやさしい目線がある。
もっと人生を生き、もっといろんな人を見て、もっといろいろ感じて。
それを歌にしよう。

かっこつけた英詩でもいい。
自分のハートを通じて出た音楽を、彼には求める。

そのやさしさをスケールアップするために。

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宮原良仕子【ネイティブなフォークソングを彼女の部屋で聴く】

宮原良仕子:オープニングSE「テネシーワルツ」でピンときた!

ライトを落としたステージ。BGMがテネシーワルツに変わる。
フォークロアな衣装を着て、指には銀細工のアクセサリー。ドリームキャッチャーのよう。これだけでどんな音楽を聞かせてくれるか、ステージを見せてくれるか楽しみになった。

不思議なハーモニクスは偶然?きらきらとした金属音が鈴の音のように心にひびく。
歌われるのは日々の暮らしのこと。でもそこに広がる風景はネイティブアメリカンな印象。
遠くまで開けた大地と、はるか彼方のビッグマウンテン。鉄道がはしり、男たちの帰りを待つ女。チリソースがグツグツと音を立ててるキッチン。夕日が空を赤く染めていく・・・。

アメリカンルーツミュージックを神格化するわけでなく、2016年の福岡の音楽に、さらりと昇華してた。

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宮原良仕子:過ぎ行く日々をいとおしく。時にけだるく歌う。

スキャットの威力。歌詞を持たないメロディーが描くイメージ。宮原良仕子の素晴らしいところ。体も心も楽器だよ~っとスルスルっと流れ出すメロディー。

カバー曲での観客サービスも忘れない。行き過ぎるとイヤミになるかもしれない笑いを、ちょうどいい塩梅で。この日のアーティストは20代ばかりだったんだけど、ここに来て大人のかっこよさ、大人の楽しさを見せてくれた。

毎日を大切に生きることをさらりと歌い、人生ラクありゃ苦もあるさと沸かせる。
30代の大人の(僕にとってはまだまだ子供だけど笑)力の抜けた、リラックスしたステージだった。

いろっぽいスキャットは、地下室のキャバーンビートにぴったり。
禁酒法時代のアメリカの、ひそかに行われるパーティーのようにつややかで、愉しい。

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宮原良仕子:SNSもため息も、大切なディティール。

友達の結婚式で4つ目のブーケをもらうという歌。これこそが大人の歌だ。
頭ではわかってるけど、どうしてもやりきれない思い。
ふっともれるため息。
幸せを垣間見た、帰り道のとぼとぼ感。
友達の幸せを自分のものとして感じられないなんて当たり前じゃんか~~(笑)
ああ~~幸せになりたい~~(泣笑)

それがローリングストーンズの「無常の世界」っぽいリフで歌われた日にゃ、ね。ニヤリとしちゃうよ。

 

こういう歌をつくる楽しみ。これがシンガーソングライターの愉しみじゃないかな?

自分のまわりでおきたことを、いったん整理して、共感ポイントやホンネを混ぜ混ぜしてきいた人それぞれが「あるある」って感じたり、「ええ~~そうなの?」って感じることができる歌をかく。こんなすてきなこと、ないよね。

カズーを使った、やさしい歌も、ステージの幕引きにぴったりだった。

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宮原良仕子:彼女はユーチューバーでもあるし、ビートルズバンドでも歌う

自宅でギターを弾き、カバー曲をうたい、それをyoutubeにあげる。
フォロワーがつき、彼女の歌をパソコンやスマホで見る。

あたらしい音楽の世界だなあ。
おもしろいなあ。

あたらしいシステム、時代に即した歌の伝えかた、楽しみ方、楽しまれ方。
でもそこで歌われるのはグッドオールドミュージック。
楽しみは尽きないね。
いつか一緒にやってみたいなと思った。ギターを弾いてみたいなと思った。

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松谷さやか【異国感あふれる祈りのうた】

松谷さやか:あちこちで名前とフライヤーを見てた。

若手のシンガーソングライターのなかでも、よく見かける名前と顔。キャバーンの町田さんからの強力プッシュもあり楽しみにしていた。

一曲目はキーボードの弾き語り。
これがすばらしい迫力だった。
簡単な伴奏だからこそ浮かび上がる光景。現実世界の海や山、ビルディングではなくて、光の輪のような。浮遊感と重さが同時にあって、「おおお」となった。

大きな石の扉を開けるような歌声。切りつけるのでも、こじ開けるのでもなく、重い石の扉自体に「開いて」と言い聞かせるような。
暗いステージのすみっこにおかれたキーボードのバックから光が差し込んでくるような。
それはだんだん強く、おおきく。

松谷さやかはゴスペルグループなどでも活躍しているらしい。
そんなことは全然知らなくても、根底にあるものが「祈り」だということがすぐに感じられた。フェイクのないまっすぐな歌も。

これからも弾き語りを見てみたい。音の全ての責任をもって立つ松谷さやかを見たい。

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松谷さやか:女の子たちは自分の見せ方、見られ方を知っている

松谷さやかは美しい。西洋の石膏像のような美しさがある。先に自分の武器に気がついたのか、歌い始めてから気づいたのかはわからないけど、ステージ衣装・表情・しぐさなどキチンとしたプレゼンテーションがある。

ステージで自分を美しく見せる。もしくはかわいく見せるってのはとても大事。それだけじゃダメだけど。

それがあざとく見えるかもという不安をもつかもしれないけど、実際かなり難しいけど。
見た目のイメージはとても大事。
Tシャツとデニムが似合う人もいれば、ノースリーブで美しい腕を見せたほうがいい人もいる。

この日トリで登場した「えとぴりか」のようにいつもアンティークで素晴らしい衣装で、自分の表現世界とのギャップをプレゼンするのもいい。現れただけでも半分満足できるようなプレゼン。

お客さんは歌だけをきいているのではない。その人の動きを、衣装を、しぐさをみてる。
松谷さやかのプレゼンは美しかった。

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松谷さやか:闇の存在を認めてるから、光を信じてうたう。

彼女は歌のひとつひとつにちょっとした解説をする。良い予告編のように曲の理解度があがる。これもステージングで重要なことのひとつ。

観客は彼女が開ける扉の向こうの世界をそれぞれに想像し、はいってくる。
だから曲が、物語がしみてくる。

やさしい世界を歌う松谷さやかは、この世の暗さを知っているし、深い悲しみがあるからこそ祈りをやめない。それで何かが変わるとか、歌が世界を救うとはおもっていないかもしれない。でも彼女は「この重い扉を開けたい」と切に願う。歌は自分自身のためにあり、同時に誰かのためでもある。

 

松谷さやか:ステージングのうまさ、誠実さ。自分を媒体として使う覚悟がある。

低音から中音域までのセクシーさと、高音域でのすこし揺らぐピッチ。それは松谷さやかの魅力だ。洋楽のカバーで心から楽しんで歌う彼女と、メッセージを伝えるために自分を媒体として使う彼女。みんなの「たのしみ」であろうとして、喋る彼女。

短い時間だったけど、彼女の意識の出し入れと、緊張と緩和のタイミングは素晴らしかった。ステージングに悩む人へのひとつの答えだった。おなじステージに立つ人間として(いやいや美しくない51歳のおじちゃんだけどね笑)とても勉強になった。

演奏された曲すべてが違う意味を持ち、目的をもっていた。
音楽家のみなさん。音楽に自分をささげていますか?

力強い彼女のメッセージ。

 

歌はわたしのもの。わたしは、歌のもの。

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門田剛典【圧倒的に肯定感あふれた歌】

門田剛典:ジェントルなギターで空気をやわらかく変える

大きくて、まるい。その風貌から溢れる歌は、やさしく。、肯定感に満ちている。

ていねいに歌い、スキャットする。
安心感があふれてくる。

ワンノートをキープしてゆっくりと変わるコード。
控えめなギター。
汗をふきふき歌う彼のことばは、元気いっぱいというよりは芝生での昼寝のようにおだやかだ。

のびやかな声で、ゆったりとした言葉で歌われる歌。
会場全体がほっとする。

つらいことや悩み、苦しむことをそのまんま、裸のままに伝えることも歌ならば、
すべてをさらりと流し「それでいいのさ」っていうメッセージも歌だね。

門田剛典は深い悲しみの影を消して、うたう。

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門田剛典:特攻隊への思いと今があることへの感謝

中盤で歌われた、戦争でなくなった人、特攻隊の若者を歌った歌が顕著だった。
ともすれば感情的になり、悲劇的になり、それが戦争を肯定するドラマチックな甘さになるだろう題材(永遠のゼロみたいな美談賛歌に)を、うまく整理して歌にしてた。

飛び立つ空の青さが、無駄に命を落とすばかばかしさをやわらげる。
やわらげるからこそ、人に届く。

エキセントリックに切りつけるのではなく、子供に語りつぐように。
彼らの死を無駄にはしない!ではなく
彼らは僕らのために戦った英霊だ!でもなく
彼らは人殺しの自殺者だ!でもなく。

そんな事実があったんだよ。
それを空が見てたんだよと、伝える。

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門田剛典:もっといろんなタイプの歌を聴いてみたいと思った。

これほど一定のレベルでゆったりとした安心感がもらえると、それが崩れたときのライブを見てみたい気もする。彼の大きな体が震えるほどの怒りや悲しみ、喜びをあらわにする瞬間を。

人柄溢れるMCや、存在感。アマチュアアーティストがしのぎを削るタイバンイベントには、彼の立ち居地は独特で、とても貴重で、興味深い。

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伊藤彰吾【ベースラインが甘くささやくコードの魔術】

伊藤彰吾:一曲の中でのメリハリが素晴らしい。

ギターは歌のバックアップだ。
僕はそう思ってる。弾き語りの場合、一番エライのは歌。シンガーソングライターのライブを見て、歌を邪魔するギターがもったいないなと思うことがたまにあるけど、伊藤彰吾はちがった。

歌の中で伝えるべき物語があって、それを盛り上げる名脇役。それが彼のギターワーク。

歌詞に明確なメッセージはない気がする。
僕はこう思う!こう感じた!そういうのではない。
歌声とギター。どこにでもあるコンビネーションだけど、ギターが世界をグッと拡げてる。
紺色よりもすこし黒いシルエット。エッジのぼけた影。
影の色の奥深さをギターが描いてる。

ちょっとひねったコード進行。弾き語りのギターを聴きなれてる人ならびっくりするだろう。
すごい難しいことをやってるわけではないけど、メロディーを支えながらも主張するコードの選び方、そのセンス。

ちょっと最近、みたことがないくらい衝撃的だった。耳をそばだてて聞き入った。
新しいライバル登場だ(笑)負けられない。

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伊藤彰吾:え?この歌メロにそのコード??

ベース弦と、他の4弦。ストロークとミュートと開放弦。それぞれの弦の使い方をどこで学んだのか?本人にきいたけど「独学」だという。
歌の響きにあった和音を、もしくは少し不協和音をよりそわせる。
一瞬違和感を感じるコード選びが、物語をワイドに、多角的に広げていく。

甘いマスクとおしゃれな雰囲気に気を許したら大変だ。ギター伴奏の尖りが聴く人の心を刺す。

弾き語りをやっていて自分のギターの音作り・演奏方法にいまひとつピンと来てない人、もっと違うアプローチがしたいと思う人。伊藤彰吾のライブを見るべきだ。

 

伊藤彰吾:日常でよく使われる言葉を選びながらもクール

歌われるのは孤独感。それも切羽詰ったものではなくて。

忙しい仕事が終わり家に帰って、ベランダから月を見るような。そこはかとない孤独感。
缶ビールのぷツトップを引く音が、部屋に響くような。

彼はそれを愛しているようにみえる。
さびしくてたまらないわけじゃなく、孤独を空気として楽しんでる。

立ち姿からも感じる、人を寄せ付けないムードはコミュニケーション好きの音楽家たちとはちょっと違う。

楽曲が洗練されすぎているからか、すこし歌世界が弱く感じるところもある。
わかりにくいと思う人もいるかもしれない。

でも、僕はそれがすごく好きだ。

気づいて欲しいという気持ちと
気づかれずにいたいという気持ちが半分半分のような。

声をかけずにいる事が「優しさ」って時もあるよね。

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