伊藤彰吾【ベースラインが甘くささやくコードの魔術】

伊藤彰吾:一曲の中でのメリハリが素晴らしい。

ギターは歌のバックアップだ。
僕はそう思ってる。弾き語りの場合、一番エライのは歌。シンガーソングライターのライブを見て、歌を邪魔するギターがもったいないなと思うことがたまにあるけど、伊藤彰吾はちがった。

歌の中で伝えるべき物語があって、それを盛り上げる名脇役。それが彼のギターワーク。

歌詞に明確なメッセージはない気がする。
僕はこう思う!こう感じた!そういうのではない。
歌声とギター。どこにでもあるコンビネーションだけど、ギターが世界をグッと拡げてる。
紺色よりもすこし黒いシルエット。エッジのぼけた影。
影の色の奥深さをギターが描いてる。

ちょっとひねったコード進行。弾き語りのギターを聴きなれてる人ならびっくりするだろう。
すごい難しいことをやってるわけではないけど、メロディーを支えながらも主張するコードの選び方、そのセンス。

ちょっと最近、みたことがないくらい衝撃的だった。耳をそばだてて聞き入った。
新しいライバル登場だ(笑)負けられない。

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伊藤彰吾:え?この歌メロにそのコード??

ベース弦と、他の4弦。ストロークとミュートと開放弦。それぞれの弦の使い方をどこで学んだのか?本人にきいたけど「独学」だという。
歌の響きにあった和音を、もしくは少し不協和音をよりそわせる。
一瞬違和感を感じるコード選びが、物語をワイドに、多角的に広げていく。

甘いマスクとおしゃれな雰囲気に気を許したら大変だ。ギター伴奏の尖りが聴く人の心を刺す。

弾き語りをやっていて自分のギターの音作り・演奏方法にいまひとつピンと来てない人、もっと違うアプローチがしたいと思う人。伊藤彰吾のライブを見るべきだ。

 

伊藤彰吾:日常でよく使われる言葉を選びながらもクール

歌われるのは孤独感。それも切羽詰ったものではなくて。

忙しい仕事が終わり家に帰って、ベランダから月を見るような。そこはかとない孤独感。
缶ビールのぷツトップを引く音が、部屋に響くような。

彼はそれを愛しているようにみえる。
さびしくてたまらないわけじゃなく、孤独を空気として楽しんでる。

立ち姿からも感じる、人を寄せ付けないムードはコミュニケーション好きの音楽家たちとはちょっと違う。

楽曲が洗練されすぎているからか、すこし歌世界が弱く感じるところもある。
わかりにくいと思う人もいるかもしれない。

でも、僕はそれがすごく好きだ。

気づいて欲しいという気持ちと
気づかれずにいたいという気持ちが半分半分のような。

声をかけずにいる事が「優しさ」って時もあるよね。

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